
月間1000回の搬送業務を削減|刃物メーカー 藤次郎のAMR「カチャカプロ」導入事例
株式会社Preferred Robotics(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:礒部達)は、藤次郎株式会社(本社:新潟県燕市)の製造工場において、自律搬送ロボット「カチャカプロ」を導入しました。本記事ではカチャカプロ導入に至った課題・背景やご利用方法をご紹介します。
導入企業:藤次郎株式会社 様
藤次郎株式会社は、1953年の創業以来、ステンレスを用いた「抜刃物(ぬきはもの)」の製法による刃物製造を行っています。最新技術と伝統技術を融合させた製品は、海外のプロにも広く愛用されています。1日約3000丁という生産量を支えるため、自動化が可能な工程には積極的な設備投資を行っており、その一環として、2台のカチャカプロを工程間の搬送に活用いただいています。

導入の背景:新工場の稼働に伴う搬送距離の延長と高負荷な運搬業務
「一丁でも多くの包丁をお客様に届けたい」という思いから、工場内の無駄をなくす活動をしてきました。その中でも、早く取り除けて・効果も高いと考えたのが移動の無駄でした。特に、当社は国内外からの需要増加に応えるため、2025年7月に新たな製造工場を稼働させました。これにより生産能力は向上したものの、工場拡張に伴って工程間の物理的な距離が長くなり、職人の「搬送の負担増」が新たな課題となりました。
具体的には、約20kgにもなる包丁が入った重い箱を男女とも搬送しているため、職人の過度な身体的負荷と、それに伴う生産性低下への懸念がありました。この対策として、搬送ロボット導入の検討を始めました。

取締役常務 工場統括責任者 若林 様
自律搬送ロボット「カチャカプロ」の選定ポイント
搬送ロボットの検討にあたって、カチャカプロを選んだ理由は大きく3つあります。
- AMRならではの柔軟性:磁気テープ式などルートが固定されるAGVとは異なり、自律搬送ロボット(AMR)のため工場内のレイアウト変更があった場合でも柔軟に対応できると判断しました。
- 狭い通路でも問題なく運用できる:当初は、コンパクトなサイズ感に対して、ある程度の重量物の搬送に耐えられるのか懸念を持っていました。ただ、実際にデモ走行を行ったところ、20kgの包丁の箱を搬送しながら狭い通路も問題なく走行でき、当初の懸念が払拭されました。
- 補助金なしでも導入できるコスト感:他社製品の場合は、コスト的に1台あたり数百万円は必要となり、補助金の申請が必要でした。そうすると必然的に導入までの期間も長くなってしまいます。この点、カチャカプロなら2台導入した場合でも、補助金に頼ることなく即導入できる価格感であり、かつ、高い費用対効果(ROI)が実現できると考えました。
カチャカプロの運用方法:シートシャッターを通過しながら各工程へ搬送
2台のカチャカプロは、主に検査工程で微細な傷が見つかった製品を「研磨・修理工程へ戻す」搬送業務を任せています。具体的には「包装場(検査場)」「磨き場」「刃付け」「ブラスト」「柄入れ」という5つの工程間において、9つの搬送ルートを設定し、運用しています。この経路には、4つのシートシャッターがありますが、カチャカプロはそれらを通過しながら、各目的地点に向かいます。

シートシャッターを通過しながら5つの工程を結ぶ搬送を担っている
カチャカプロは、タブレットによる直感的な設定が可能なため、現場の若手作業員がわずか1日で使いこなせるようになりました。現在もレイアウト変更などがあった場合に、走行ルートの再設定を行うなど、柔軟な運用ができています。
導入効果:月間約1000回の搬送を自動化。職人が付加価値生む業務に集中できる環境へ
最大の効果として実感しているのは、職人が自らの手を止めて行っていた「包丁の重い箱を運ぶ」という負担の大きい作業が目に見えて削減されたことです。
具体的には、導入直後から早くもカチャカプロが工場内を行き来し、1日平均54回の自動搬送を行っています。これは、月間の稼働日に換算すると、実に約1000回以上もの「作業を中断し、人が手で運ぶ無駄」が削減されることを意味します。
これによって、職人の身体的な負担が大きく軽減されただけでなく、本来の目的である生産や品質検査といった「付加価値を生む業務」を1日あたり1時間弱捻出することができました。

また、搬送の自動化に取り組んでから、現場の意識にも少しずつ変化が生じています。カチャカプロが自動で搬送している様子が浸透するなかで「人が荷物を持って運ぶことの無駄」を強く感じるようになったという声もあり、自動化促進の意識も高まっています。
今後の展望:環境整備による稼働エリアの拡大と期待
今後は、工場内の引き戸やドアのシートシャッター化などの環境整備をさらに進め、カチャカプロの活躍の場を広げていきたいと考えています。また、複数台制御を可能とする「カチャカフリートマネージャー」や、100kg可搬の「カチャカEvo」にも期待を寄せています。

充電ドックで搬送の指示を待つカチャカプロ
まとめ:工場の搬送自動化は「カチャカプロ」
藤次郎株式会社様のように、環境変化と隣合わせで大がかりな設備投資や初期費用に躊躇しがちな製造現場においては、導入ハードルの低さやコスト感、運用のしやすさは「スモールスタート」で始める上でも非常に重要です。これらの特徴を備えたカチャカプロは、製造現場との相性も良く、自動搬送を進める上での一つの選択肢となるのではないでしょうか?
カチャカプロは、狭小な通路や頻繁なレイアウト変更が存在する現場でも、現場主導で簡単に導入・運用ができるコンパクトな自律搬送ロボット(AMR)です。自社の「移動の無駄」を解消し、従業員が本来の技術や品質向上にリソースを集中できる環境づくりに向けて、まずはカチャカプロによる搬送業務の自動化をご検討ください。