リンナイ大口工場での導入事例｜小型AMRカチャカプロによる工程間搬送の自動化
株式会社Preferred Robotics（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：礒部達、以下「プリファードロボティクス」）は、リンナイ株式会社（本社：愛知県名古屋市）の大口工場において、自律搬送ロボット「カチャカプロ」を導入しました。本記事ではカチャカプロ導入に至った課題・背景や現状のご利用方法をご紹介します。
カチャカプロを知ったきっかけ
工場の自動化に向けて、AGVやAMRの導入を検討していました。しかし、多くの製品は価格が高く、導入しても費用対効果が合わないと感じていました。そんな中、雑誌やネットでカチャカプロを知り、導入を具体的に検討することになりました。
搬送ロボット導入に至った課題・背景
当社が搬送ロボットを検討していた課題・背景は主に以下の通りです。
運搬作業の削減
製造現場では「運ぶ」という作業自体には付加価値がありません。したがって、弊社でもコンベアなどの自動化設備を導入し、こうした運搬作業の削減を進め生産性を向上させる取り組みを進めてきました。ただ、ライン間など局所的に見れば、まだ作業者が運搬に時間を取られているという状況が散見されていました。
人手不足への対応
製造現場では人材の確保が難しく、繁忙期には特に人手不足の影響が顕著になります。将来的に本格化する人手不足対策として、搬送ロボットの検討を進めていました。
属人化の解消と作業の自動化
搬送ロボットの導入によって、誰でもできる搬送などの単純作業は積極的に自動化し、属人化を削減・およびより生産性の高い業務に人のリソースを集中させたいという意図がありました。
カチャカプロ導入の決め手
上記の背景から、小型で低コストな搬送ロボットを探していました。実際に問い合わせて詳細な説明を伺い、特に以下の点を高く評価し導入を決めました。
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SLAM方式による柔軟な走行 磁気テープやQRコード式といった誘導体が不要のため、レイアウト変更に強く、工場内で人と共存しやすい点。特に大口工場では、スペースが限られているため、人と協働作業を行う必要があるため、この点は非常に重要なものでした。
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コンパクトなサイズ感と拡張性 カチャカプロは非常に小型であるため、現場の作業者の邪魔になりにくい点。また、台車（カチャカベース）の上に、現場で使いやすい棚を自由に造作できる拡張性も評価しました。
- 導入しやすい価格帯 高額なAMRが多い中、カチャカプロはコスト面でも導入しやすい点。
工場内でのカチャカプロの活用方法
現在は、調理関連家電製品の「中間組立部材の搬送（ライン間搬送）」と「空になった台車の回収」という2役を一台のカチャカプロにやってもらっています。運用の流れは以下の通りです。
① 作業者が、出発ラインから中間組立部材をカチャカベースに積み込む
② 作業者がカチャカボタンを押すと、次のラインへ自動搬送
③ 受け取ったライン側の作業者がボタンを押すと、カチャカプロが近くの空の棚にドッキング
④ 空の棚を出発地点へ戻す
工場で感じた導入効果
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「工程間搬送」と「空台車の回収」という二つの作業をカチャカプロ1台に任せることができるため、費用対効果が高い
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運搬作業を自動化することで作業者の負担を軽減
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ワンボタン操作で簡単に稼働できるため現場のストレスが少ない
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自作した台車と組み合わせ、現場に最適化した運用が可能に
サポート体制への評価
導入検討から運用開始まで約2年にわたり、わがままも含めて柔軟にサポートしてもらえました。不安があった導入前も、信頼して相談できたことが大きな安心につながりました。
今後の展望
今後はさらに台数を増やし、より多くの工程で中間組立部材の搬送や空台車の回収に活用していく予定です。人とロボットが協働する工場を目指し、さらなる自動化と生産性向上を進めていきます。