
AMR導入事例を紹介(工場、医療機関、飲食店、オフィスなど)
近年、多くの現場で「人手不足」と「作業効率化」の両立が課題となっています。
その解決策として、AMR(自律搬送ロボット)の導入が製造業をはじめ、医療・飲食・オフィスなど幅広い分野で進んでいます。
中でも、小型で導入しやすいAMR「カチャカ」は高い注目を集めています。柔軟に動作できるため、初めての現場でもスムーズに運用できる点が特長です。
導入の手軽さと高い効果から、多くの業種で採用が拡大しています。
本記事では、工場・医療機関・飲食店・オフィスにおける代表的な活用事例を紹介し、カチャカが現場でどのように効率化と負担軽減を実現しているかを解説します。
工場(製造業)でのAMR導入事例
製造現場では、部品搬送や製品移動など、人手に頼る作業が多く見られます。AMR「カチャカプロ」は、こうした単純搬送を自動化し、省人化と生産効率の向上を実現します。
まずは、代表的な3つの導入事例を見ていきましょう。
- 大手電子部品メーカー様
- 大手自動車部品メーカー様
- 樹脂部品工場様
各社の取り組みを順に紹介します。
大手電子部品メーカー様でのご活用事例
大手電子部品メーカーでは、部品ストアから実装ラインへの搬送をAMR「カチャカプロ」で自動化しました。人手に頼っていた運搬作業を置き換えたことで、業務効率が大幅に改善されています。
導入したのは2台のカチャカプロで、約3,000平方メートルの広いエリアを稼働範囲としています。
最大5キログラムの部品を安定して運べるうえ、上位システムとのAPI連携により、作業者の指示に応じて部品を自動搬送できる仕組みです。この連携により、工程間の待ち時間が短縮され、ラインの流れがより滑らかになりました。
導入前は作業者が長い距離を歩いて部品を運んでおり、移動に多くの時間を費やしていました。
自動化によって月44時間分の移動時間を削減し、人件費に換算すると約34万5千円の効果を得ています。さらに、既存設備を改修せずに導入できた点も高く評価されています。
カチャカプロは、低コストでスモールスタートが可能な点が特長です。今後は他ラインへの展開も視野に入れ、より一層の生産性向上が期待されるでしょう。
大手自動車部品メーカー様でのご活用事例
大手自動車部品メーカーでは、ラインのアウトプット側から検査場への搬送をAMR「カチャカプロ」で自動化しました。
これまで人が行っていた完成品の運搬作業をロボットが担うことで、現場の負担を大きく減らしています。
導入したのは1台のカチャカプロで、稼働エリアはおよそ100平方メートルです。ワークの重量は約1キログラムで、ラインと検査場間の約20メートルを往復します。
操作はボタン一つで完結します。 作業者が移動する必要がなくなり、誰でも迷わず使える仕組みを実現しました。
従来は他社製AMRを検討していましたが、高額で大型な機体が多く、導入は難しい状況でした。その点、カチャカプロは小型で導入コストが低く、狭い通路にも対応できる点が評価されています。
結果として、作業者の移動が月20時間分削減され、人件費換算で約15万7千円の効果を得ています。
無駄な往復をなくし、作業効率と安全性を両立できたことが最大の成果といえるでしょう。
樹脂部品工場様でのご活用事例
樹脂部品を製造する工場では、射出成形機から検査場までの搬送をAMR「カチャカプロ」で自動化しました。
これまで作業者が行っていた運搬をロボットに任せたことで、現場の負担が大きく軽減されています。
搬送するワークは約1キログラムで、片道約40メートルを移動します。 ボタンを押すだけで搬送と復帰ができ、特別な知識を必要としません。
シンプルな操作性が特長で、現場の誰でもすぐに扱える点が好評です。
以前は他社製AMRを検討していましたが、導入費用が高く、投資回収までに時間を要していました。カチャカプロは低価格で導入できるうえ、必要な機能を厳選しているため、コスト面で大きな優位性があります。
導入後は、月30時間分の移動作業を削減し、人件費換算で約23万5千円の効果を得ています。
短期間で成果を出せたことで、今後のさらなる自動化拡大にも期待が高まっている状況です。
※工場(製造業)の導入事例の詳細をご覧になりたい方はこちらから資料ダウンロードをお願いいたします。
医療機関(クリニック、歯科)でのAMR導入事例
医療現場では、器具や薬剤の搬送をスタッフが行うケースが多く、業務負担の増加が課題です。
AMR「カチャカ」は、こうした日常的な移動作業を自動化し、医療従事者が本来のケア業務に集中できる環境づくりを支えています。
ここでは、クリニックや歯科医院での代表的な導入事例を紹介します。
- 温耳鼻咽喉科様
- 博多たかの歯科・矯正歯科様
- ひのき薬局様
各社の取り組みを順に紹介します。
温耳鼻咽喉科様
佐賀県唐津市の温耳鼻咽喉科では、診察室と滅菌室の間で行っていた器具搬送をAMR「カチャカ」で自動化しました。
これまで看護師が往復していた運搬作業を、ボタン操作によって簡単に行えるようにした事例です。
操作はシンプルで、ワンクリックで呼び出し、長押しで戻す仕組みを採用しています。導入前には1週間の無料レンタルを実施し、稼働データを取得しました。
走行距離は1日あたり約1キロメートルに達し、搬送頻度や時間の可視化にもつながっています。
その結果として、看護師の移動時間が大幅に減少し、患者対応やケアに充てる時間を確保できました。
現場スタッフもすぐに操作を習得し、ロボットを身近な存在として受け入れています。
「まるで仲間のようだ」との声も聞かれ、職場全体の雰囲気が明るくなったそうです。
さらに、カチャカが患者との会話のきっかけとなり、コミュニケーションの促進にも役立っています。自動化による効率化だけでなく、温かみのある現場づくりにも貢献している事例といえるでしょう。
博多たかの歯科・矯正歯科様
福岡市にある博多たかの歯科・矯正歯科では、診療室とバックヤード間の器具や材料の搬送をAMR「カチャカ」で自動化しました。
これまで看護師が行っていた運搬作業を置き換えたことで、業務負担の軽減につながっています。
呼び出しはボタン操作で行い、移動中はセンサーによる走行制御で人や機器と接触しないよう配慮されています。導入前には無料レンタルで実際の運用データを収集し、1日の移動距離や運搬回数を把握しました。
その結果、看護師が費やしていた搬送時間を削減でき、患者対応や介助業務に集中できる環境が整っています。スタッフは短期間で操作に慣れ、ロボットとの共存にも抵抗を感じなかったそうです。
加えて、カチャカの愛嬌ある動きが話題となり、患者との会話が増えるきっかけにもなりました。現場の雰囲気が明るくなり、スタッフ同士のコミュニケーションにも良い影響を与えています。
カチャカは、医療現場の効率化だけでなく、人とロボットが共存する環境づくりにも寄与しています。
ひのき薬局様
福島県会津若松市のひのき薬局では、薬剤や医薬品の搬送作業を自動化するためにAMR「カチャカ」を導入しました。
これまでスタッフが手で運んでいた作業を置き換えたことで、業務効率が向上しています。
店舗リニューアル後、勝手口から調剤室までの動線が長くなり、移動負荷が課題となっていました。
導入後は、納品された薬剤をカチャカシェルフに載せ、スマートフォンアプリで呼び出すだけで調剤室まで自動搬送できます。搬送距離は約10メートル、運搬重量はおよそ5キログラムです。
このシンプルな仕組みが、現場作業の効率を大きく向上させるきっかけとなりました。
自動化により、スタッフは運搬から解放され、患者対応や薬剤準備、データ入力といった本来の業務に専念できるようになりました。特に女性スタッフからは、身体的な負担が減ったという声が上がっています。
また、カチャカの親しみやすい動きが話題となり、薬局内の雰囲気が明るくなったとの声も聞かれます。効率化だけでなく、職場環境の改善にも寄与した事例といえるでしょう。
飲食店でのAMR導入事例
飲食業界では、配膳や片付けなどをスタッフが行うことが一般的で、業務負担の増加が課題となっています。
AMR「カチャカ」は、こうした日常的な運搬作業を自動化し、スタッフが本来の接客や調理に専念できる環境づくりを支援しています。
導入により、移動にかかる時間を減らし、作業効率を高めることが可能になりました。
b8taカフェ様
東京・渋谷の体験型ストア「b8ta Tokyo – Shibuya」内にあるb8taカフェでは、AMR「カチャカ」を配膳ロボットとして導入しました。
店内で展示していたカチャカを実際に運用し、ドリンク提供に活用した点が特徴といえます。
導入は2023年8月末に実施されました。バリスタが淹れたドリンクをカチャカに載せ、スマートフォンアプリで客席を指定します。
カチャカは自動で客席まで移動し、音声で「ドリンクをお持ちしました」と案内します。さらに、お客様が「ねえカチャカ、片付けて」と話しかける体験もできるように設計されています。
導入後は、バリスタの往復移動を減らし、ドリンク提供のスピードが向上しました。一往復あたり30〜60秒の時間を削減でき、接客や品質管理に使える時間が増えています。
また、音声案内が来店客の注目を集め、驚きと楽しさを届ける効果も見られました。
この取り組みは、店舗の話題性を高めるだけでなく、ブランドへの関心向上にもつながりました。効率化と体験価値の両立を実現した好事例といえるでしょう。
オフィスでの導入事例
オフィスでは、書類や郵便物、飲料などの社内搬送を人が行うことが一般的で、業務負担の増加が課題となっています。
AMR「カチャカ」は、こうした日常的な移動作業を自動化し、従業員が本来の業務に集中できる環境づくりを支援しています。
導入によって、社内の動線を最適化し、生産性の向上にもつながりました。
- 戸田建設株式会社様
- KDDI様
- GMO AI&ロボティクス商事様
各社の取り組みを順に紹介します。
戸田建設株式会社様
戸田建設株式会社では、新本社ビル(2024年11月開業予定)において、オフィスのスマート化と業務効率化を目的にAMR「カチャカプロ」を導入しました。
8階フロアに併設されたカフェエリアで、使用済みドリンクカップの回収業務を自動化しています。
スタッフは、IoTボタンを押すだけで、ロボットがカップ置き場まで往復約70メートルを自律移動します。
棚をドッキングまたは交換するだけで回収作業が完了する仕組みです。この運用により、1日あたりおよそ2キロメートル分の移動が不要となり、接客やドリンク準備といった本来の業務に集中できる環境が整いました。
一方で、オフィスの景観を損なわずにゴミ箱の設置数を減らせる点も評価されています。
ロボットが稼働する様子は来訪者の関心を集め、スマートオフィスの象徴として注目を集めています。
導入の決め手となったのは、API連携や棚ドッキング機構、LiDARによる安定走行です。
今後は、エレベーターと連携した多階層搬送への展開も検討されており、オフィス自動化の新たなモデルケースになると期待されています。
KDDI様
KDDI株式会社では、本社ビル内の社内メール便を効率化するためにAMR「カチャカプロ」を導入しました。郵便物や書類を各フロア間で運ぶ作業を自動化し、業務の省力化を実現しています。
ロボットはメール室を起点に、各階のメールボックスへ郵便物を届ける仕組みです。
さらに、各階で集荷した郵便物をメール室へ戻す「回収フロー」も担っており、日々の運用を支えています。人が介在せずに正確な配送を行える体制が整い、作業負担が軽減されました。
特に注目されるのは、エレベーターとの自動連携機能です。カチャカプロが自ら呼び出し、乗降を自律的に行うことで、複数階にわたる搬送を可能にしました。
この機能により、オフィス全体の物流動線が自動で最適化されています。
導入は2025年7月に1台から始まり、今後は最大5台体制を検討中です。多階層オフィスでの郵便物搬送を効率化したこの事例は、スマートビル化の先進的な取り組みといえるでしょう。
GMO AI&ロボティクス商事様
GMOインターネットグループのGMO AI&ロボティクス商事では、AMR「カチャカ」を活用した実証実験を行いました。
この取り組みは、オフィス内で移動型の飲料提供がどのような効果をもたらすかを検証することを目的としています。
実験は二つの段階に分けて実施されました。第一段階では、固定式のコーヒーマシンを特定のエリアに設置し、従業員が一杯飲むごとにシールを貼って消費量を記録しました。
続く第二段階では、カチャカに専用シェルフを取り付けてコーヒーマシンを搭載し、ロボットがオフィス内を巡回して飲料を届ける方式を検証しています。
両フェーズで消費量を記録し、固定式と移動式の提供方法を比較しました。これにより、ロボットが人の動線や職場での交流に与える影響を分析できるようになっています。
得られた結果は、今後のオフィス向け移動サービスロボットの導入検討に生かされる予定です。
この実証実験は、業務効率化だけでなく、働く人の体験価値を高めるための新たな取り組みといえるでしょう。
カチャカシリーズは、「人の作業をやさしく置き換える」をコンセプトに、製造・医療・オフィス・サービスなど幅広い分野で活躍の場を広げています。
現場の規模や用途に合わせてスモールスタートでき、導入後すぐに効果を実感できる点が、多くの企業・施設で支持されている理由です。
より詳しい製品情報や導入をご検討の方は、下記ページよりご覧ください。
AMR導入で得られる総合的な効果
AMR(自律搬送ロボット)は、単なる搬送自動化の枠を超え、業務全体の効率化や人手不足の解消など、幅広い効果をもたらします。
ここでは、導入によって得られる代表的な3つの効果を整理して紹介します。
作業効率と生産性の向上
AMRの導入によって、作業効率と生産性が大きく向上します。ロボットが定常的な搬送作業を担うことで、人はより価値の高い業務に集中できるようになります。
従来は、製造や物流の現場で人が移動や運搬に多くの時間を割いていました。AMRを導入することで、こうした非効率な移動を削減し、作業の流れをスムーズに整えることが可能になります。
また、複数台のAMRを協調運用することで、全体の生産サイクルを最適化できる点も大きな利点です。業務の標準化も進み、作業品質が安定する傾向があります。
結果として、同じ人員でより多くの業務をこなすことができ、生産性の向上につながるといえるでしょう。
スタッフ負担の軽減と働きやすい環境づくり
AMRは、現場スタッフの身体的な負担を軽減し、働きやすい環境づくりに貢献しています。特に重量物の運搬や長距離移動を伴う作業では、その効果が顕著に表れました。
ロボットが繰り返し作業を担当することで、人の移動距離が短縮され、疲労の蓄積が抑えられています。
その結果、スタッフはより集中して業務に取り組めるようになり、安全性も向上しました。
また、休憩時間を確保しやすくなるなど、職場環境全体の改善にもつながっています。
こうした変化は、従業員満足度の向上や離職防止にも効果を発揮しています。
AMRは、省人化だけでなく、人が安心して働ける現場を実現するための有効な手段といえるでしょう。
現場の安全性・品質・サービス向上への貢献
AMRは、現場の安全性やサービス品質の向上に大きく寄与しています。ロボットが衝突防止センサーやLiDAR(ライダー)を活用し、安全に走行できる仕組みです。
そのため、人との接触リスクを最小限に抑えることが可能になりました。さらに、ヒューマンエラーの発生を防ぎ、搬送ミスや遅延を減らす効果が確認されています。
これにより、業務全体の正確性と信頼性が高まりました。結果として、サービス品質の向上へとつながっています。
医療や飲食など、安全性が重視される現場でも高く評価されており、AMRの活用範囲は今後さらに広がるといえるでしょう。
導入のハードルを下げる「カチャカ」の強み
AMR「カチャカ」は、他の自律搬送ロボットに比べて導入しやすく、現場になじみやすい設計が特長です。
ここでは、導入コスト・操作性・適応性という3つの観点から、その強みを紹介します。
小型・低コストで導入しやすい
カチャカは小型設計と手頃な価格を両立しており、限られたスペースでも導入しやすい点が特長です。大掛かりな設備改修を必要とせず、既存の環境をそのまま活用できるため、初期投資を抑えた導入が可能になりました。
また、他社のAMRと比較してコストが低く、試験導入から始めやすい点も評価されています。 小規模な現場でも無理なく運用でき、費用対効果を早期に確認できる点も魅力です。
こうした背景から、スモールスタートで導入を始める企業が増えています。 必要に応じて台数を段階的に拡張できる柔軟性も備えており、現場の成長に合わせた運用がしやすくなっています。
導入リスクを抑えつつ、省人化を実現したい企業にとって、最適な選択肢といえるでしょう。
簡単操作で現場にすぐ定着
カチャカは、直感的に操作できる設計を採用しており、現場スタッフが短期間で使いこなせる点が魅力です。専門知識を必要とせず、ボタンやスマートフォンアプリから簡単に操作できます。
ITに詳しくない人でも扱いやすく、現場への導入後すぐに効果を発揮します。教育や研修にかかる時間も短縮できるため、運用開始までの負担が少なく済む点も利点です。
実際、多くの導入現場で「すぐに使いこなせた」との声が聞かれています。また、音声案内や自動復帰など、使いやすさを支える工夫が随所に盛り込まれています。
このようなシンプルな操作性が、幅広い業種で導入が進む理由の一つになっているといえるでしょう。
既存設備や環境への適応性の高さ
カチャカは、既存の建物構造や運用システムに合わせて柔軟に対応できる点が強みです。走行に特別な床材やガイドを必要とせず、オフィス・工場・病院など多様な環境で利用できます。
また、APIを通じて上位システムと連携できるため、搬送指示や稼働状況の確認を自動で行うことが可能です。
これにより、ロボットと人の協調作業を円滑に進められるようになりました。さらに、運用エリアの変更にも柔軟に対応できるため、レイアウト変更が多い施設にも向いています。
この高い適応性は、長期的な運用コスト削減にもつながります。現場の変化に強く、拡張性の高いAMRとして、多くの企業から支持を得ているといえるでしょう。
工程間搬送の自動化に最適なAMR「カチャカプロ」

具体的な製品例として挙げられるのが、Preferred Roboticsが開発する「カチャカプロ」です。小型かつ低価格でありながら、独自のSLAM技術により高精度な自己位置推定と安定した地図構築を実現できます。
複数センサを組み合わせることで、狭い通路や複雑なレイアウトでもスムーズに走行できます。導入により、省人化や負担軽減、安全性の向上を同時に実現できます。
また、導入から運用までのサポート体制も整っており、安心してスモールスタートを始められます。
台数拡張にも柔軟に対応できるため、段階的な自動化を目指す企業にとって理想的な選択肢といえるでしょう。
より詳しい製品情報や導入事例は、以下のページをご覧ください。